詳細 | |
---|---|
学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2023 |
ゼミ名 | 中川 吉晴 |
タイトル | 「ア・プリオリな幸福」に関する論考──『嫌われる勇気』とアドラー心理学を乗り越えるために |
内容 | 本稿では、『嫌われる勇気』とアドラー心理学を克服する幸福論を提案する。第1章で、『嫌われる勇気』が受容された理由について、近代化と能力主義の影響を論じる。第2章では、アドラーの個人心理学を批判的に吟味し、それが社会的生物としての人間にとって無視できないものであるということを示す。そして、他者へと協力を強いる「生存のまなざし」と自らにとって良いことを求める「実存のまなざし」を区別する。第3章では、観想的な幸福観や『嫌われる勇気』の幸福の定義を批判し、実存のまなざしに応えるために自己の死に直面する必要があるということを論じる。そして、アリストテレスの幸福に関する議論から、幸福とは「良い気分である」ということを述べる。 |
講評 | 本論文は『嫌われる勇気』の批判的吟味およびアドラー心理学の評価をとおして、それらの限界をのり越える幸福論の確立をめざしたものである。アドラーにかぎらず、アリストテレス、スピノザ、ボルノーといった哲学者をとりあげ、緻密な議論を展開している点が評価できる。 |
キーワード1 | 嫌われる勇気 |
キーワード2 | アドラー心理学 |
キーワード3 | 幸福 |
キーワード4 | 生存 |
キーワード5 | 実存 |
戻 る |