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学科 教育文化学科
年度 2014
ゼミ名 中川 吉晴
タイトル 日本人における余暇と遊び ―テーマパーク時代の到来―
内容  ロジェ・カイヨワは遊びを競争、偶然、模擬、眩暈という4つに分類した。遊びは全て、いずれかの(もしくはいくつかの)分類に含まれるものであり、その遊びを楽しむのは人間の本質的行動であると彼は言う。これに対して、日本人は古くから、集団生活を基本とした労働に価値を置く性質を持つ。調和を重視する集団帰属意識の高さと、勤勉さゆえに、遊びに対しても、労働の息抜きや、レクリエーション(再び創り出すためのもの)という目的ありきの捉え方であった。しかしその考え方が、様々な社会的背景から揺らいでいる。また、遊びや余暇を自分磨きや利益を得るための時間に活用したい、という新たな欲求が広がりを見せた。
 この現状に伴い、人々の余暇や遊びへのこだわりは強くなり、多くの充実感を得られる遊びを好むようになった。この需要に合う遊びが、テーマパークと考えられる。テーマパークには、人間のノスタルジーやイマジネーションを掻き立てるコンセプトを立て、それに沿った空間デザインやオペレーションが必要となる。それは人々を陶酔の世界に誘う。テーマパークは、遊びの4つの分類全てに該当する要素を持つ。人間の本質や遊びの本質まで掘り下げ、あらゆる工夫を凝らした、究極の遊び場である。
講評 本論文は、ホイジンガとカイヨワの遊び概念を検討したうえで、余暇をとりあげ、日本人の余暇への対処を、ベネディクトのいうアポロ型という観点からとらえている。さらに、余暇に対する価値観をふまえて、現在における余暇のあり方として、テーマパークを論じている。多くの面をカバーしており、充実した内容になっている。
キーワード1 遊び
キーワード2 余暇
キーワード3 テーマ・パーク
キーワード4 ロジェ・カイヨワ
キーワード5 新たな欲求
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