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学科 | 教育文化学科 |
年度 | 2016 |
ゼミ名 | 中川 吉晴 |
タイトル | 21世紀の科学技術はフロムのヒューマニズムを実現しうるのか |
内容 | 本論文では、ロボットや人工知能といった21世紀の科学技術がエーリッヒ・フロムのいうヒューマニズムを実現するうえでどのような役割を果たすのか、ということについて考察した。第1章では、フロムの代表的な理論である<持つこと>と<あること>についての分析を行った。第2章では、機械が人間の労働を奪う未来、アリストテレス『政治学』から見る機械の今後、究極の人工知能が人類にとってどのような存在になるのかについて考察した。第3章では、21世紀における<あること>を追及するために、機械を所有するだけでなく活用すること、人間が行うべき<あること>の実践について示した。結論として、21世紀の科学技術は<あること>の障害となるものを取り除く能力を持っているということが分かったと同時に、フロムのいうヒューマニズム実現のためには、人間が機械の主人となり、「内的解放」に向けて<あること>の実践を行う必要があるということを示した。 |
講評 | 本論文は、エーリッヒ・フロムが危惧した科学技術の進歩が、逆にフロムの意図したヒューマニズムを実現する上で役に立ちうるのではないかということを考察したものであり、きわめて独創的な内容になっている。フロムの数多くの著作を丁寧に読み解き、<持つこと>と<あること>についての論点を中心にし、それを近未来の展望のなかに置くことによって機械文明の意義を解明している点で、注目すべき議論を展開している。 |
キーワード1 | エーリッヒ・フロム |
キーワード2 | 21世紀の科学技術 |
キーワード3 | <持つこと>と<あること> |
キーワード4 | 解放 |
キーワード5 | |
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