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学科 教育文化学科
年度 2022
ゼミ名 中川 吉晴
タイトル 唯識思想で解くSNS依存
内容 近年、スマートフォンの普及により若者を中心にSNSに依存する人々が増えている。適度なSNSの利用は人生を豊かにしてくれる一方で、SNSに気を取られすぎて仕事や学業に手をつけられなくなってしまうケースもある。この社会問題に対して、これまでに対症療法的なカウンセリングは多くなされてきたが、社会背景を含めたもっと根源的なアプローチが必要だと感じる。そこで本稿では、SNS依存という問題に対する解決策の一つとして、仏教における唯識思想や心理学を参照する。
第1章では、現代のSNS依存に関する統計データや基本情報、SNSに依存することの弊害を整理する。第2章では、人々がSNSに依存してしまう背景を考えつつ、仏教の唯識思想を応用することでSNS依存から脱却するための手法を検討する。第3章では、唯識思想との共通点も多いアドラー心理学を参照しつつ、人間の内面への深堀りを行う。
講評 本論文は、今日の社会現象であるSNS依存の問題に対し、仏教の唯識思想からアプローチした独創的な論文である。まずSNS依存の特徴と、それが生じる背景を分析したのち、SNS依存に陥る心的状態(自他分離、自我の実体視と執着、遍計所執性)が唯識の意識論(八識)から解釈され、唯識のいう依他起性(縁起)の認識や平等性智によって二項対立を乗り越える方向性が示される。それに加えてアドラー心理学を用いてSNS依存を分析し、メディアリテラシー教育に唯識のヨーガ行を取り入れることを提案している。本論文は単に唯識思想を論じたものではなく、それを今日の社会現象と結びつけ、現代人の心理の根本問題にも切り込み、生の全体性を回復する道筋を明らかにしており、高く評価できる内容になっている。
キーワード1 唯識思想
キーワード2 SNS依存
キーワード3 アドラー心理学
キーワード4 生の全体性
キーワード5 ヨーガ
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