卒論作成を振り返って
朴 蕙彬
(山田ゼミ)
<テーマ設定の経緯>
私は卒業論文を書くなら自分の国のことを書きたいと思っていました。近年の韓国の急激な高齢化に伴う高齢者の生活上の問題に興味を持っていました。介護、医療、生きがい、経済問題などのなかで、一つに絞るときに、現実的に 1年間に論文を書いて終わらせる内容を選ばないといけないことがわかりました。そこで先生にも相談し、高齢者の就労について勉強していくことになりました。フィールドワークが必要であるため、韓国で行われている「高齢者就業事業」の参加者をインタビューしようと思いました。
<苦労したこと>
テーマは決めるまでは順調でしたが、それから苦労をしたと思います。まず、理論的根拠や方向性でした。高齢者の就労といってもその根拠はいろいろあるため、就労といっても老後保障、生きがい、健康づくりなどの理由からどの理由を選ぶかが問題でした。そのなかで、もっとも適したものを選ぶことを悩む時間が長かったので、途中であきらめたいという気持ちにもなりました。これは私だけでなくゼミの仲間にも少なくなかった苦労の理由です。
卒論の方向性が決まった後でも苦労はありました。感想文ではない論文なので言葉の選択、自分が主張する内容の根拠となる表や図の載せ方などです。私は書き言葉ではなく話し言葉になってしまうこと、主張までの論理的な流れをつくるのに苦労しました。
それから書き終えたあとの添削や修正にも相当の時間がかかりました。文字数に相当する内容を書いて終わったと感じましたが、それからが大変でした。何回もプリントアウトしたり、読んで誤字を直したりすることで 12月を送った気がします。
<ゼミでの取り組み報告>
山田ゼミでは 1年間の計画や流れを先生が立てて、みんながそれに沿って討論や発表をしました。夏休みには二日間、自分が取り組んだ内容(フィールドワークや文献など)について報告をしました。個人的に卒論を仕上げるに役に立ったのは文献を読むときに読むことで終わらせるのではなく、それをノートに書いて要約した内容を先生に提出することでした。卒論を書き始めるときに本を改めて読みましたが、ノートの要約を参考に時間の節約や頭の整理ができたと思います。
<書き上げての感想>
卒論は卒業のために必要な単位であります。しかし、それ以上の意味があると思います。小グループで現場活動や発表をすることはありますが、最初から最後まで自分で勉強し論文を出すことはそれほど経験できないことだと思います。しかし、卒論は一人で書き上げるものではないと思います。フィールドワークで協力してくださる方々、助言や相談をしてくださる先生や TA、そして一緒に悩む友達の支えがあると思います。卒論を書くまでは知識的財産も増えますが、私はフィールドワーク(インタビュー)を通して自分だけの卒論になった達成感も大きかったです。
卒論提出日は書き終えたので、みんながお祭りのような雰囲気です。しかし、待ちに待った終了日のはずなのに、実際に提出する直前となるとどこかさびしい気がして涙が出そうでした。
<これからの卒論に取り組むみなさんへ>
卒論に取り組む前に私はテーマの設定に一番悩苦労するだろうと思っていました。当たり前なことですが、それより書き上げまでの流れが大切であると今は思います。卒論を書き上げるにはたくさんの知識の蓄積が必要です。そして、情報を集める力も必要だと思います。これから取り組むみなさんは今、不安に感じることもあると思います。でもひとつひとつ重ねていくことで卒論が出来上がるので、焦らずがんばってください。