卒論作成を振り返って
福本 修尚
(小山ゼミ)
<完成までの個人としての経緯>
私が卒業論文でテーマに挙げたのは、児童における社会的養護についてでした。このテーマを取り上げたのは、実習で伺わせていただいた児童養護施設の取り組みに関心を持ったことがきっかけです。その施設では、積極的に再統合の支援を行ったり、里親や養子縁組といった家庭的養護についての勉強会も行ったりしていました。施設のみで児童養護の役割を果たすのではなく、ケースに合わせて社会的養護の機能をフルに活用しようとする施設の姿勢から、施設養護の印象が大きく変わりました。そして社会的養護のそれぞれの役割について興味を持ち始め、これをテーマにして卒論を書いていこうと思いました。
卒業論文を書く上で苦労したことは、海外の動向が書かれている文献が少なかったことです。海外と日本の動向を比較しながら日本における社会的養護、特に家庭的養護の充実を考察しようと取り組んでいたのですが、大学の図書館にあっても数冊だったりしたので、海外のことが少ししか載っていない本でも掻き集めていました。また、膨大な量の文章となってくるので、途中で何が言いたいのかを見失うこともありました。煮詰まって書くのが嫌になってしまうこともあり、それを打破するのにも苦労しました。
卒論作成を振り返ってみて、書いている時は辛かったという思いしかありませんでした。原稿用紙40枚以上という論文をこれまでに書いたことがなかったし、また4回生は授業数が少なくなり、レポートを書くことから遠のくので、余計に辛く感じました。しかし辛かった分、完成したときは大きな達成感を味わうことができました。相談し合ったり、周りの進歩状況を探りあったり、愚痴をこぼしあったりして共に苦労を分かち合ったゼミの仲間と、完成の喜びを共有できたことも、辛かったという思いを吹き飛ばしてくれました。
<ゼミでの取り組み報告>
まず春学期は、卒論のテーマやおおよその目次を授業で発表していきます。何故そのテーマにしたか、どのようなことを主に調べていきたいかなどを中心に発表し、小山先生からアドバイスを受けます。そのアドバイスを元に、各自書き進めていきます。
そして、夏休み頃から授業外で小山先生にアポを取り、研究室で添削を受け始めます。初めは書き方がわからないからたくさん指摘を受け、へこむ事もありますが、徐々に書き方が分かっていき、指摘も少なくなってくると思います。どんなに少量でもいいので、定期的に出来たところまでを持って行って、その時のありのままの自分を見せましょう。
秋学期の授業では、もう一度テーマ、目次、そしてはじめにや第1章など、導入部分をそれぞれ発表していきます。小山先生が全員に共通する添削をしてくださいます。月に一度は小山先生宅で添削会を行い、その後に鍋をすることもありました。アポを取って研究室での添削は秋学期頃から週に一回ペース、締め切り一ヶ月前頃からは週に二回ペースでお願いする人が多かったので、これが中心になってくると思います。最後に小山先生に出来上がりを一通り見ていただき、不備が無ければ晴れて提出です。
<これから卒論を取り組むみなさんへ>
私自身卒論に取り掛かったのは遅いほうでした。卒論の勉強も全然してこなかったので、テーマもあまり固まっておらず、初めのうちの添削は、かなりの指摘を受けました。しかし、どんなに少量でも週に一度程、添削していただくことにより、テーマが明確になっていきました。さらに、煮詰まっている部分も文章に出るみたいで、スッキリした気持ちになれるようなアドバイスもいただけます。小山ゼミの卒論は決して一人で書くものではありません。うんと小山先生に甘えて、納得のいく卒論を完成させてください。