創造教育 活動報告

日本政策学生フォーラム参加事後レポート 19075007 市川友里恵

日程と活動概要

12月11日 東京到着。パワーポイントの内容確認および、プレゼンの練習を行う。
12月12日 慶應大学三田キャンパスにおいて日本政策学生フォーラム(ISFJ)の開会式へ参加。他大学の発表を見学。
パワーポイントの修正。
12月13日 発表当日。明治大学駿河台キャンパスにおいて20分間の発表及び20分間の質疑応答。
12月14日 東京巡り、京都到着

日程と活動概要

私たち、社会学部教育文化学科山田礼子研究室の3回生は、日本政策学生フォーラムという、学生が社会に向けて新たな政策を立案するという大会に参加しました。私たちは「教育」の分科会において「甦れ!!日本の教師!!~大学における教員養成課程の改革~」というテーマを掲げて論文を執筆してきました。私たちにとって、本番を迎えるまでの約半年間は非常に密度の濃いものでした。7月からテーマ設定に入り、夏休みもこの論文を書き上げるために毎日のように集まり、試行錯誤する日々が続き、文献調べから、先行研究調べ、文部科学省のHPには毎日のようにアクセスしていました。ぶつかり合いもありましたが、それはそれぞれが本気で取り組んでいたからこそだと実感しています。A4用紙50枚27000字に及ぶ論文を書き上げることができたのも、ゼミや院生の先輩方たちを始め、教授、またアンケートに快く協力してくださった皆さんのおかげだと感謝の気持ちでいっぱいです。本番前日までプレゼンテーションの練習を繰り返し、これに関しては、どこの大学にも負けていなかったと自信を持って言うことができます。分科会賞を取ることができず悔しい思いをしましたが、この半年間で学んだ、協力して一つのものを作り上げることの喜びや、何事にも本気で取り組むことの大切さはこれからの人生できっと役に立ってくれるでしょう。大学生活に本気で取り組んだことは何ですかと聞かれたとき、私は自信をもって「ゼミでの論文執筆です」と答えます。

 

 

最後に高等教育に関して願うこと…大学は講義形式の授業が非常に多く、モチベーションの上がらず、大学に来て何を学んでいるか分からないと言う学生はたくさんいます。もちろん、知識を学ぶ授業も大切です。しかし、日本政策学生フォーラムにように自分自身で問題や課題を掲げて、それについての解決策を自ら調査し、調べる…受動的な学びよりも、能動的な学びこそ真の力を身につけることができると考えます。多様な考えを持つ学生同士が切磋琢磨して日本の政策を考え、理念の実現に向け突き進む…このような場をもっと学生に提供するべきであると実感しました。

以下、私たちが執筆した論文の要約を記載させていただきます。

「甦れ!!日本の教師!!」論文要約

  本稿の目的として、教員の能力と質の向上を目指すため、大学の教員養成課程に新たなプログラムとシステムを設けることを提言する。
  第1章では現在の教育現場、及び教員養成課程に関する問題点を述べる。指導力不足教員の増加やそれに伴う各教育委員会の対策、教員の能力低下の要因について言及し、また現在実際に行われている教員の能力向上のための施策を挙げ、それらについての問題も挙げる。
  第2章では現状分析として「閉鎖制教員養成」から現在の「開放制教員養成」に至った経緯を論じる。また、現在の教員の免許取得方法についても言及し、文部科学省から提示されている教員に求められる資質能力について述べる。
  第3章では分析方法について述べる。今回、大学における新たな教員養成課程を提言するにあたり、現在の教員養成課程を履修している学生に対する意識調査を行い、それらの結果をSPSSによって度数分析・クロス集計をし、分析を行う。その結果を第4章、第5章を論じる際の根拠として使用する。
  第4章では第1章から第3章をふまえた上で、現在の教員養成課程の抱える問題点について述べていく。その中で、
1. 各大学によって教員養成課程の充実度が異なっており、それが教員のレベルに影響を与えているということ。
2. 大学の教員養成課程において実践的能力を養う科目が十分に設置されていないこと。
3. 教員を第一志望としている学生群と、資格として教員免許状を取得するという曖昧な意思を持つ学生群とが同一の免許を取得すること。
  以上の3つの問題点を、第3章で述べる手法で分析を行った結果を利用し、実証していく。また、ここでは第1章で述べる、2009年に民主党の掲げる教員養成課程6年制についての問題点も検討する。
  第5章では、これらの問題点と、SPSSを用いて分析を行った現在の教員養成課程に対する意識調査の結果を踏まえ、以下に示す新たな教員養成課程制度を提言する。
I. 教員養成課程に新たなプログラムの導入
  現在の教員養成課程では理論は身についても、実践的能力が養われていないことが学生への意識調査によって明確となっている。よって現代の教員に必要な能力は何かを検討し、現在の教員養成課程に新たな実践的な能力を養う11科目を設置することとする。教職大学院で行われているカリキュラムや現代の教育現場の問題点を踏まえて、実践的能力を養う新たな科目を設置し、この新たなプログラムをExcellenceプログラムと名付ける。
II. 教員免許の類型化の実施
  Ⅰで述べた実践的能力を養うためのExcellenceプログラムを履修した学生をExcellence、履修しなかった学生をStandard、Excellence免許を取得しなおかつ教職大学院を修了した学生をProfessionalとし、類型化を行う。これにより学生の能力の差異が免許によって区分されることとなる。
III. Ⅰ、Ⅱを踏まえた、新たな教員養成課程の提言
  Ⅱの免許交付システムを各免許の名称の頭文字をとって提言する教員養成課程を「PEaSシステム」と名付けることとする。PEaSシステムの導入により学生の実践的能力の向上を目指し、また採用される教員の質の底上げと、質の担保が可能となる。さらに、現在の教員養成課程では同一の学習環境に、先に述べた二つのグループが存在しており、それらのグループのモチベーションの差異により十分な教育効果が見られなかったが、類型化を行うことで学習環境内の教育効果を上げることが可能となる。

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