HA著
この論文では、私自身の経験を踏まえながら就職活動について考え、就職活動が学生に与える影響を探った。
まず第1章では、就職活動の流れや就職試験の種類など、就職活動の概要を調べた。次に第2章では、 学生、企業、大学という3つの立場の主張を比較し、就職活動について多角的に検討した。そして第3章では 同志社大学の 4年生50人を対象にアンケート調査を行い、就職活動で一番つらかったことや就職活動を経験してよかったことなどを尋ねた。
就職活動にはメリットもあればデメリットもある。たとえばメリットは学生が社会への関心を抱くようになるという点であり、デメリットは入試と違って選抜基準が不明確である以上、就職活動は努力だけではどうにもならないという点である。しかし、 アンケート調査の中で「就活を通して自分自身は成長できたと思いますか?」という質問に対し、 50人中48人の学生が「はい」と答えた。学生生活に終止符を打ち、社会に羽ばたいていこうとしている大学生にとって、「就活」は間違いなく意味のあるものなのである。
[キーワード] 就職活動 面接 エントリーシート 自己分析
HA 論文への 批評
はじめに、卒業論文全体の印象は、就職活動に関するオーソドックスな流れや学生が感じるであろう意見や考えが述べられおり、就職活動全般についておおまかではあるが理解しやすいものであった。実際に学生たちにもアンケート調査を行い、生の声を聞けた点でもたいへん意義のあるものとなっている。しかし、本論は著者の活動と共に論じられるはずなのに、活動を長く行っていた著者自身の得たことや成長したと感じる点が、あまりふれられておらず、就職活動のネガティブな記述も多いせいか、就職活動の厳しい面ばかりが目立っていたように思う。また、本論の主旨である、就職活動が学生に与えた影響を明らかにするためのアンケート調査の項目でも、「一番つらかったこと」だけではなく、それをどう乗り越えたかなどを詳しく分析すれば、学生に与えた影響をさらに多角的にはかることができたのではないかと思う。(IT)
就職活動については自分自身も経験したことで疑問もいくつかあったので、興味があった。
アンケート調査で 50名からデータを集めてまとめる作業は素晴らしいと思う。しかし、せっかく得た回答をただ羅列している状態なので、その点をもっと分析を加えて論じることができたらよかったのではないだろうか。また、最初に就活の学生に対する影響がいかなるものかという問題提起に対して、まとめの部分では書かれていなかったように感じるので、少し論点がずれてしまったように感じた。著者の就活に対する視点を述べることはよいと思うが、就活感想文のようになっている部分が各章でだらだらと突然出てくるので、まとめて述べるようにするか、論文という意識を持って記述するかを考えたほうがよいかもしれない。(SA)
なかなかテーマが定まらず、一時はどうなることかとはらはらしましたが、なんとかまとまり、ほっとしました。HAさんほどの才能に恵まれた人でも、やっぱり、自分の直感を信じて、えいやっ、と前に進むことが必要なんですね。(UK)